2012年12月31日月曜日

今年も一年ありがとうございました。

さて、久しぶりの投稿となります、長谷川です。

2012年のミュージックファースト、何があったかなぁと振り返ってみると、
今年は、倉庫が倍になったり、法人化したり、といったことがありました。

そして、今年はスタッフみんなで、小さな改善を積み重ねていけたことが
大きな変化と成長になったかなと思います。
「小さな改善・ちりつも」というスタッフ専用の掲示板を作って、
作業台の位置を少しずらしたとか、備品を取りやすくしたとか、
みんなで知恵を出し合って、たくさん書き込んで、少しずつ改善していきました。
今日、あらためて掲示板を見て、大きな成長になったなと感じました。


そして、
現在一緒に働いてくれるスタッフを募集中です。
ぜひ、ご応募ください。
ただ、向上心がない人や、遊びが中心になってる人などは、
ちょっと一緒にやっていけないかなと思います。
仕事を通して成長していきたいと思っている人、これから長く働いていきたいと思っている人と
ぜひ一緒にやっていきたいと思っています。
僕は、人間を成長させるには仕事が一番だと思っています。
みんなで切磋琢磨して人間的に成長していけたらなぁと思っています。



そして、
2013年の抱負は、、

現在、ミュージックファーストでは、
店舗、アマゾン、ヤフオク、宗次ホールで商品を販売しています。
来年は、それに加えてイーベイでも販売していこうと計画しています。
あとは、会社としての整備を諸々進めていかなきゃなと思っています。

まだまだ未熟な会社&人間なので、来年も
たくさん仕事をして、たくさん本を読もうかなと思っています。



今年も一年本当にありがとうございました。
12月31日と1月1日はお休みで、1月2日から通常通り営業いたします。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
よいお年を~。


長谷川

2012年12月30日日曜日

ピクルス通信no.186 師走のフロイト

2011年に続き、2012年も職場の後輩サトウと銭湯で過ごす聖夜。

私が着ていたジャンパーは赤、サトウが着ていたダウンジャケットは緑。

だもんで受付女子に「ふたりでクリスマスですね」と含みある表情で指摘される始末。

今年もまた「大曽根温泉・湯の城」だ。

たいへんこざっぱりとした清潔感のある施設である。

2010年12月のオープンってことはまだ2年ですか。

露天風呂の充実ぶりもなかなか。

岩風呂、桧風呂、壷湯、寝風呂、炭酸泉。どれもが広々と構えておる。

さて。私がつねづね目的をもって銭湯に浸かることを自らに課し、それを「フロイト(風呂意図)」と呼ぶことは先月も述べた

たとえ連れがあってもそのこゝろは忘れたくない。

12月25日のフロイト。

ユングを思う

洗面器、タオル、寝湯に使う枕、など風呂まわりの道具は数多い。

それを我々はユング(湯ん具)と名付けるわけだが、何を優れたユングとするかは熟考を要する。

なぜか。「優れていることを気づかせないことがもっとも優れたユングの条件」ともいえるはずだから。

「おっ、この手桶、デザインXO醤(「いいじゃん」の最上級)」と意識させるようではまだまだ。

しかしなんにでも例外はある。

それが「湯の城」には、あった。

浴場に入った瞬間に鼻のあたりがいい感じに包まれた。

品のある、リラックスした香り。何の香り?

「???」で軽い目眩を覚えながら洗い場に腰をおろすとご対面あいなった。

抹茶のフレグランス入りボディソープ/シャンプーだ!

花とかじゃなくて茶とはね!

「嗅覚への刺激が最も人の記憶に強く刻まれる」と、心理学か何かの本で読んだことがあるという話を誰かがしていたのを聞いた気がする。

私は抹茶味のアイスクリームを食べるたびに思い出すであろう、この「湯の城」を。

ひとつのユングが浴場全体の印象を左右する。神は細部になんとやら。



銭湯帰りの車の中では、5年以上前に人にもらったままになっていた澤野工房のサンプルCDを聴いた(下のリンクからもちょい試聴可)。

ジャン・フィリップ・ヴィレ・トリオ《HAYAKU》。複雑交差感に昂る。

ウラジミール・シャラノフ・トリオ《Este Seu Olhar》。ウラ氏のピアノタッチは万華鏡。

アンドレ・ヴィレジェ・カルテット《Lester Left Town》。粋と侠気あるこのサックスは誰?アンドレ。


サトウが林檎をくれた。実家・青森から送られてきたものをシェアしてくれた。

家につく頃には甘酸っぱい香りが車内に充満。

林檎ホルダー付きの車種でよかった。


若竹純司(客)

2012年12月27日木曜日

天沼メガネ節

イースタン・ユースの吉野寿のブログをまとめた書籍「天沼メガネ節」がでました。

イースタン・ユースもソロのbedside yoshinoも好きなので
読もうと思います。


りょうかん


2012年12月23日日曜日

ピクルス通信no.185 NEWOPEN

以前に閉店を惜しんだ千種のカフェ、「BOIS de VINCENNES(ボア・ドゥ・ヴァンサンヌ)」で、ながく店長を勤めていた片木さんからメールが届きました。

「12月29日烏丸御池でカフェオープンします」

祝!

生まれ育った地元京都に戻り、自らがオーナーとなっての門出です。

  Cafe le boudoir(カフェ・ル・ブドワール)
  京都府中京区衣棚通御池下る長浜町154-2
  075-746-6060
  定休日:火曜

店名の意味は「貴婦人の私室」「貴婦人がすねる為の部屋」。

甘いマスクで数々の女性をカウンターに引き寄せてきた片木さん。

観光客も多い烏丸御池という立地。全国の貴婦人を虜にしてもらいましょう。

私としては、ヴァンサンヌで楽しんだオールドビーンズ使用のネルドリップ・コーヒーを再び口にすることができるか、楽しみにします。


富が丘にある喫茶店「木曜日」が閉店すると耳にし、その営業最終日に行ってきました。

外壁をつたう蔦、クラシックとモダンとが調和する店内、自家焙煎珈琲、数々の人気フードメニュー。営業25年を越える風格あるお店でした。

この日食べたハム・サンドイッチも、ニンジンの千切りがたくさん入っているもので、こうした細部にも個性的なこだわりを感じさせてもらいました。

いつ行っても(とはいっても私は指を折るほどしか行けていないのですが)賑わっていたので経営難での閉店とは信じられません。この日も、いつも通り訪れたのであろうマダムたちが閉店の張り紙をみて悲鳴。

オーナーはかねてより営業の片輪としている藤か丘の珈琲豆ストア「コモン」に専念するそうです。

会計の際、目立つように置かれたDMを手に取りました。

「木曜日」のスタッフが新たにカフェをオープンするとのこと。




店名は「music + coffee」の意。

「コーヒーと音楽の ある日常」とあります。

一家言を持つ音楽愛好家や珈琲愛飲家の多くが「やられたなぁ」と悔しくなるお店になることを期待しています。

オープンは2013年2月中旬、地下鉄東山線「本郷駅」すぐ近く。


若竹純司(客)


*追記*

お読み下さりあがとうございます。musicoさんへの来訪記を、「ピクルス通信204. もう自分の店がやりたいなんて言わない」で書きました。おわせてお読みいただければ幸いです。

2012年12月20日木曜日

足つぼ

忘年会などで普段よりだいぶ呑む機会や量が増える時期ですね。

少し前にテレビでやっているのを見たのですが足の甲の親指と人差し指の間が
二日酔いに効くつぼと紹介されていました。

以前やった時は効果があるかはよく分かりませんでしたが
また試そうと思っています。


りょうかん

2012年12月17日月曜日

スタッフ募集中!


現在、スタッフ募集中です。

ご興味がある方はメールにて下記をお知らせください。
選考後、追ってこちらからご連絡いたします。
よろしくお願いします。

1.お名前
2.年齢
3.性別
4.ご住所
5.電話番号
6.直近の前職
7.好きな音楽ジャンル
8.好きなバンド、アーティストなど

mail@musicfirst.biz


長谷川

2012年12月16日日曜日

ピクルス通信no.184 ビッツと呼ばれた男の子

高校時代から付き合いのある皆が僕のことを「ビッツ」と呼ぶ。

高校に入学したての頃、前の席に座るクラスメイトが僕の下半身を指差し、「お前のモノはポークビッツに違いない」と断定したのが始まり。略して「ビッツ」。

車の名前になってもおかしくない覚えやすい響きだ。

渾名だけがひとり歩きした。

違うクラスの初対面の人に自己紹介をするにも「ビッツだよね」と先回りされたこと数知れず。友人から「年賀状を出したいから本名教えて」と問われたこともある。

問題は、僕を「ビッツ」と呼ぶ友人知人のほとんどが「ビッツ」の由来を知らないってこと。

親しみをこめて「ビッツ」「ビッツ」と呼んでくれるその度に「モノが小さいらしいね」「モノが小さいらしいね」とメッセージを送ってくれることになる。理屈としては。

僕としても呼ばれる度にメッセージを真に受けている訳ではない。

でも、そのメッセージが僕の深層心理に滑り込み、僕自身が「ビッツ」たらんと自己暗示をかけ、ほんとうに「ビッツ」になってしまう事態はじゅうぶん考えられる(言霊っていうじゃない?)。悲劇だ。

あれから10数年、いまだ僕は「ビッツ」と呼ばれている。

この話でもっとも重要な点は、果たして本当に「ビッツ」なのかどうか、ってことだろう。

僕は認める。「ビッツ」さ。

ながらくコンプレックスだったけれど、もうこの歳(29)になっては気になどしない。

そんなことは小さなことなのだ。




アンプを買い替えた。

イタリアはOpen Item社製、Carot One ERNESTOLO(キャロット・ワン・エルネストーロ)。

手のひらサイズの真空管アンプ。

オーディオのことはよくわからない。でも、雰囲気のある音になったことははっきりわかる。

もともとヴォーカル、ピアノ、弦楽器に相性のよいスピーカーを使っているので、それらの表情はより豊かになった。それよりも、ドラムや管楽器がぐんと目覚ましくなったのが喜ばしい。

空気を震わす感じが、びしびし肌に伝わってくる。

 ヘッドフォン専用アンプとして購入するオーディオファンも多いらしく、なるほど、長時間のリスニングでも疲れることのない、寛ぎのある音場を生んでくれる。

小さくても性能がいい。小さくても性能がいい。


若竹純司(客)

2012年12月14日金曜日

年末年始の営業



年末年始につきましては、下記のとおり営業をさせていただきます。



 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 12月30日(日)11:00~21:00(通常営業)

 12月31日(月)休業

   1月 1日(火)休業

  1月 2日(水)11:00~21:00(通常営業)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 

何卒よろしくお願い申し上げます。




2012年12月13日木曜日

紅白歌合戦

今年の紅白はももいろクローバーZが初出場するのでとても楽しみです。




りょうかん

2012年12月9日日曜日

ピクルス通信no.183 デ、デキる

あ、ラジオ聞こ。

我がオーディオ環境にはラジオチューナーが備わっていないのでネットラジオを用います。

NHKを「らじる★らじる」で。民放をradikoで。

でも、聞きたい番組にかぎって仕事や用事と重なってしまうんだよなぁ。

そんな私のために、、、

スマートフォン/タブレット用のラジオ・アプリ「TuneIn Radio Pro」の出番です。

TuneIn Radio Pro

録音機能あります。予約録音もできます。

世界中のラジオ局、日本のローカル局の受信可。

その数6000局以上!

もっとも日本の民放ラジオは受信できません。

もっとも私にとってはNHK一局さえ聞ければ、録音できれば充分です。

お値段なんと85円!録音機能のついていない無料版もあります。)

あえて難点(注意点)を挙げれば、二点。

1、録音中はアプリを立ち上げ、番組を流しっぱなしにしておく必要があること(音量はオフにしていてOK/停止ボタンを押すのはNG)。その間はi-Tuneなど他の音楽機能を使用できません。また諸事情でデータの受信が途切れると録音もストップしてしまいます。その際は自分で気づいてデータ再受信、再録音の必要があります。

2、電池をくうスピードが驚異的なこと。私のi-Phone(4S)だと、2時間番組を録音すると電池残量30%に陥ります。



NHK-FM。

仕事時間と重なるため、毎週録音しているのが「世界の快適音楽セレクション」。

毎週土曜朝9時からの2時間。

DJはゴンチチのお二人。とぼけたトークが味です。

選曲は藤川パパQ湯浅学渡辺亨が週代わりでご担当。

ジャンルも時代も問わない色んなタイプの音楽がかかります。

プレイリストとディスクガイドが一緒になったブログ「ゴンチチの世界の快適音楽セレクションを聴こう!」が役立ちそう。



NHK-FM。

他に聴きたい番組をリストアップ。

「ワールドミュージックタイム」
・「ジャズ・トゥナイト

どの番組もホームページにプレイリスト掲載。


NHK-FM。

クラシックは番組数が多いのでどの番組を追えばよいのか迷うところ。

NHKオンラインのFM放送の案内が痒いところを掻いてくれます。

作曲家別検索(クラシック)」には驚きました。

聴きたい作曲家を選んで検索にかけると、近い放送予定から関連番組をはじきだしてくれます。



調べてみると、聞きたい、録音したい番組がどんどん増えていきます。

民放にまで手を出したらえらいことになるな。なりたいな。

ポータブルラジオレコーダー ICZ-R50(SONY)が優れもののようです(レビュー)。

高音質で44時間40分録音可。

20番組まで予約録音可。

デジタル録音なのでポータブルプレイヤーにデータ移動可。

実勢価格1万円ちょい。いいじゃん。


若竹純司(客)

2012年12月6日木曜日

ヘッズ割引

名古屋シネマテークで公開中のア・トライブ・コールド・クエストの映画
「ビーツ、ライムズ・アンド・ライフ ア・トライブ・コールド・クエストの旅」(12/1~12/7)
はHIP HOPのCDかレコードのジャケットを呈示することで200円引きされる
ヘッズ割引というのがあるそうです。


面白い割引だなと思いました。
音楽関連の映画でこういう企画ってとてもいいなと思いました。



りょうかん

2012年12月2日日曜日

ピクルス通信no.182 でら・ハード

「娯楽を楽しむことがあまりない僕だけど」

といささかホコタテ(矛盾)したことを仰る方が最近観て楽しかったと勧めてくれた映画。

『ダイ・ハード』(1988/米 ジョン・マクティアナン監督)

いまさら感。日曜洋画劇場で昔観たんじゃ感。

が、

自分の趣味というふるいにかけることなく、勧められたものに手をつけたい私は従います(いつか未開の地で勧められるであろう見たこともない虫と呼ぶにはあまりに大きすぎる虫を食べるための訓練の一環として)。


クリスマス当日、テロリストによって日本商社の高層ビルが乗っ取られるという事件に、偶然巻き込まれた1人の刑事ジョン・マクレーンの活躍と戦いを描くスペクタクル。

知恵を絞りながら孤立無縁で複数の敵に立ち向かうあたりは、これもクリスマス映画『ホーム・アローン』に通じますね。

孤立無援であること以上に、裸足で戦う姿に笑いと涙を誘われました(満身創痍で足をひきずったマクレーンがスパークする電線が放つ光のなかで浮かび上がる様はぞくぞくするほど不気味で、イカしたヒーロー造形!)。

孤立無援と言いましたが、厳密に言えば違います。

たまたまビルの近くに居合わせたパウエル巡査官との無線でのやりとりがあります(ただしパウエルの上司が無能な現場指揮官のため、マクレーンは警察の協力を得ることができません)。

激しい戦闘シーンの合間合間に挟まれる無線を通じた語らいが、ドラマに伏線を張ります。

マ「俺はホリーに愛しているとは何度も言ったが、謝ったことは一度たりともなかった。彼女が仕事の昇進によってNYを離れるとき、応援してやれなかった。俺には出来すぎた女房だったよ。俺がもし死んだら伝えてくれ。すまなかった、と」

パ「生きてそこから出て、自分の口から伝えればいいさ」

パウエル巡査もまた、マクレーンに対し、自らをずっと苦しめる過去を打ち明けます。

自分はかつて13歳の少年を射殺してしまった。暗闇のなかで見えたおもちゃの拳銃を本物と見間違えたためだ。そのショックから立ち直ることができず、二度と銃を構えることができずデスクワークに移ったのだ、と。

そのパウエルの拳銃が再び火を吹くときがこの事件を解決するときであろうとは、誰が予想できたでしょうか(勘のいい人は予想できるレベル)。

危機的状況のなかで見ず知らずの二人が無線を通じて関係を深めていく、ひねりのあるBuddy Movie(相棒映画)であったことが個人的には発見でした。

二人の人種が異なることは言うまでもありません。



使われていた音楽でもっとも耳をさらうのはベートーヴェンの交響曲第9番「歓喜の歌」。

ドイツ人テロリストグループが難攻不落の金庫へ侵入成功したときに流れます。

高揚した気分をあらわすのにぴったりの曲ですね。



第九が流れればクリスマスを越えて年の瀬を感じさせます。

話題に出すのはちょっと早かったでしょうか。ごめんあそばせ〜。

2012年11月29日木曜日

JAZZ PERSPECTIVE VOL.5

お気に入りのジャズ雑誌JAZZ PERSPECTIVE の新刊が12月12日発売予定だそうです。

今回はニューヨーク・ジャズの特集です。
NY1970年代のレコード屋を語ろうという
記事がとても面白そうだなと思いました。

いつも通りレコードでしか聴けないジャズも楽しみです。



りょうかん

2012年11月25日日曜日

ピクルス通信no.181 霜月のフロイト

週に一度、銭湯に通っている。

「篠木温泉 満天望」を使う。

家から近いこと、平日は混雑していないこと、露天風呂が充実していること、清潔感がほどほどであることなどが理由。



ただ湯に浸かっているだけじゃあない。

裸一貫で風呂まわりの思索を積んだり、裸で何か出来やしないかと忙しい。

それらを私はフロイト(風呂意図)と呼んでいる。

11月19日のフロイト。


◯ チャンネル権はいっさい与えられぬまま、完全受け身でテレビを積極的に楽しむ◯


露天風呂に大型テレビが備えられている。

チャンネルは定められている。

「リクエストはお気軽にフロントまで」なんてシステムもない。

だいたい私が浸かる頃は21時台以降。

やっているのはニュースかバラエティぐらいだ。

この日は後者。くりぃむしちゅー、ネプチューン、チュートリアルがゲストを交えてトークをお送りする「しゃべくり007」(日本テレビ系列)。

普段、この番組はもとよりバラエティを見ることがない。嫌いではない。しかし最近は「見て笑うことがわかっている番組は見ない」という極論に振り切れているため見ることがない。よって銭湯は私とバラエティ番組をつなぐ貴重な仲人となっている。

裸になると、私はよく笑う。

この日のゲストは岐阜出身のモデル・女優、鈴木ちなみ(写真集『ちなみに、、、。』は30日発売予定)。

時代劇に出演したいがために耳にピアスは開けないという(演じてみたいのは茶屋娘)。

好きな歴史上の人物を聞かれた彼女は、やや回答に困ってから声を絞り出すようにして答えた。

「ジャンヌ・ダルク」。

ワッハッ!

裸で、一人で(でも周りに人はいた)、声を出して私は笑った。そんなに面白いか?

どうやら服を脱ぐと、笑いに対する武装解除も進むようだ。

同じくゲストの市川海老蔵が「しゃべくり007」のメンバーとやってみたいことに「ババ抜き」を挙げ、「では海老蔵さんがトランプをきって下さい」と頼まれると、やや照れた感じで「困ったなぁ」とつぶやいたことにまで爆笑してしまうほどに。

人は、裸になるとよく笑う。



満天望を贔屓にする第一の理由は休憩室の充実ぶりにある。

ほどよい温度に設定された部屋には暖色の照明がまどろみ、リクライニングシートが30席ずらっと並ぶ。

貴賤を問わないプレミアムシートのお時間です。

ここで湯上がり読書をすることが無上の悦び。



満天望への道すがら、ブックオフ19号春日井中央店の文庫コーナーで拾い上げた一冊。

ディスクガイドほど湯上がりに適した本はない。

まだ聴かぬディスク名・ジャケット写真が、リフレッシュされた頭にするする入ってくる。

『ジャズ名盤ベスト1000』安原顯・編 (学研M文庫)
20名が各々の切り口でジャズの醍醐味を伝える50枚を選定する。20×50=1000。

定番の名盤は外す、という方針。

偏りをよし、とする方針。

選定にあたった先生方は以下の通り(敬称略)。

青木和富岩浪洋三大村幸則岡崎正通小川隆夫児山紀芳後藤雅洋、斉木克己、佐藤秀樹清水俊彦杉田宏樹瀬川昌久高井信成土倉明寺島靖国、藤本史昭、村井康司悠雅彦、安原顯、斉藤宏嗣

選者は五十音順に登場する。先鋒は誰としてトリはかの大先生に、といった気を使わなくて済む。ただし斉藤宏嗣・選「優秀録音ベスト50」は特別枠としてラストに来ている。いや、この本の編者である「や」の安原顯も「ゆ」の悠雅彦の後に来ていた。この稀代の編集人は、ブックガイドでもトリを持とうとするのが見受けられる。

選者のプロフィールの記載がない。名前を知っている人にとっては無用であるし、名前を知らない入門者にとっては余計な色眼鏡をかけずに済む。

それにしても、、、、。

ディスクガイドを目に通すたびに思う。

知らない名前や盤を教えてもらう案内料と、自分の愛聴している盤がどう擁護されているかを確認し「私のセンスもなかなかのものよ」と悦に入る安心料と、いったいどちらに金を払ったのか。


若竹純司(客)

2012年11月24日土曜日

スタッフ募集しております

現在、ミュージックファーストではスタッフを募集しております。
一緒にお店を盛り上げてくれる方お待ちしております。

ご興味がある方はメールにてご連絡ください。

mail@musicfirst.biz


長谷川

2012年11月22日木曜日

QUIET CORNER 2012 WINTER

HMVのフリーペーパーQUIET CORNER の冬号が出ていたので貰ってきました。


今回はアメリカのシンガーソングライターMATEO STONEMANが表紙でした。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのメンバー、ロベルト・フォンセカとカチャイート・ロペスが
参加した新作「Mi Linda Havana」とても良さそうで聴きたくなりました。


りょうかん

2012年11月18日日曜日

ピクルス通信no.180 コピーできないコピー

「三和酒類株式会社」よりも、商品名のほうに馴染みがあるだろう。

いいちこ

いいちこが様々な媒体に発表してきた広告を集めた「iichiko design展 名古屋」。

ビビットなポスターが居並び、目ににぎやかな時間を過ごしたが、それ以上に心を惹かれたのがコピーの数々。広告コピーならではの言葉の遊戯を堪能させてもらった。


《水を掬えば、水は冷たい。》
文章講座ではおそらく忌避されるであろう、近距離間での「水」の二重使い。

《秋の日の、》
これもコピーならではの詩情。「、(読点)」で終わり、文は完成されていない、意味をなしていない。我々読み手が文章を完成させる余地、イメージを膨らます余地を残している。

《水にたとえてお話しします。》
軽い唐突さを伴って、コピーと写真とが訴えかけてくる。しかし我々に向かっての言葉ではないかもしれない。では誰に。誰でもいい。言葉が、誰に向けてでもなく、宙にふわりと放たれている感じが素敵だ。

《やっぱり ここに居たんですね。》
言葉を発した主人公と、言葉を投げかけられた相手。二人の存在を感じさせつつ、ストーリーをも喚起する。

《昨日のことはもういいです。》

同じく、二人の存在を感じさせ、ストーリーを喚起。読んだこちらも胸がすく思い。

《そして、夕凪。》
写真は流れる時間のなかで、ある時点を切り取る。瞬間一点をとらえる。この一枚では、「そして」の三文字があることによって、「それまで〜そのとき〜それから」の時間の経過を感じさせる。短いコピーの中で平仮名・読点・漢字はやわらかに調和しつつ、「夕凪(ゆうなぎ)」はその音の響きでコピーを引き締め、安定した字体である「凪」が画調をしかと受け止める。

コピーライターは野口武。アートディレクター、河北秀也。フォトグラファー、浅井慎平。デザイナー、土屋康之。

20年以上同じメンバーで制作されているという。

もっと味わいたい方はこちらへどうぞ



「芸術新潮」(新潮社)を毎月購読しているのは裏表紙を見るため、というのはもちろん過言。しかし心待ちにしているのは確か。

いいちこの広告を。

毎号、様々な食材を使っていいちこの瓶を表している。以下この半年分。








これもフードスタイリングと呼び得るのだろうか。



芸術新潮にはディスクレビュー欄「ミュージック三昧」が連載されている。

鈴木淳史(型破りクラシック評論)、西加奈子(作家)、松山晋也(元「STUDIO VOICE」編集長)が月替わりで執筆。

とおりいっぺんの音楽評論からはみだしていく西加奈子の回が異色だ。評論というよりエッセイだからもとより道先が違う。

紹介される音楽はR・ケリーディアンジェロアッシャー田我流など、私の趣味と180度とは言わないまでも240度ぐらい隔たったもの(まわりまわって距離としては遠くないかも)。それでも音楽を語る言葉がのびのびと自由であるし、音楽を鍵とし人間を考察する様がびしびし感じられるし、何より西のパーソナリティが曝け出されていることに私は好感と共感を持つ。


若竹純司(客)

2012年11月15日木曜日

TECHNO definitive 1963-2013

三田格、野田努共著のテクノカタログ本「TECHNO definitive 1963-2013」
11月23日に発売されるそうです。


シュトックハウゼンから現代のテクノまで様々なエレクトロニック・ミュージック
が紹介されていてアートワークが700枚以上も掲載されているとのことです。

とても楽しみです。




りょうかん

2012年11月12日月曜日

ピクルス通信no.179 北摂めぐり

純白ドレスのままアルトサックスをぶりぶり吹き上げる花嫁(友人)なんて二度とお目にかかることはあるまい、と昨晩の二次会のハイテンションを回想しているうち、電車は朝の阪急茨木市駅についた。

アマノ先生の車が来た。

「コーヒーとうどん、どっちや?」

朝からうどん!ザ・関西!

コーヒーで。

「茨木でふらりと一人で入店できて、かつ、コーヒーが美味いのはここ」との薦めでJR茨木駅前「ぶいえいと」

コーヒーに200円をプラスし(モーニング価格)、ベーコンチーズトーストを賞味。

クセなしコクあり香りあり、の毎日使いに持ってこいのコーヒー。

ひとつだけ言わしてもらおうか。美味い、と。



茨木市は沿道に緑が多い。ドライブするのに気分が良い。

安藤忠雄設計「光の教会」こと茨木春日丘教会に立ち寄った。

コンクリートうちっぱなしによる主張の強い建築物のはずなのに、いざ現物を前にしてみると、緑に囲まれていることもあってか、あたりの住宅街と反撥しあうことなく在る。

外壁を大きくかたどる十字架はミーハー心をくすぐってくれますなぁ。ぱしゃ。





日曜は礼拝日。秋晴れのなか、澄んだ賛美歌が漏れきこえる。

ちょうど東からの陽射し。教会内部での光の十字架が想像できる。

次回は予約して内部を見学しよう。

(平松剛『光の教会 安藤忠雄の現場』(建築資料研究社)と同著『磯崎新の「都庁」』(文藝春秋)は、書店員生命を賭けて推薦できる読み物。魅力として①建築家の肖像を過不足なく伝え②建設の進行上関わりのある人々の群像がいきいきと描かれ③専門的な知識を門外漢にもわかりやすく丁寧に示しており④なによりも文章がユーモラスで読ませる。)



万博公園についた。

6、7年前に訪れた時は「休園日」で阻まれた、いわくつきの場所。

なぜ公園が休むのか!と当時は憤った(正確にいうなら、同行していた友人が私の「定休日男」ぶりに憤った)ものだが、この度、園内に入ってみて納得した。

数多くの文化施設・レクリエーション施設を抱えているし、なにより広い、広いので管理・メンテナンスのためにはどうか休園日をとっていただきたい。

広い(全体地図)。

260ヘクタール、甲子園65個分である。とはいってもよくわかるまいが。広い。

我々に出来ることはといえば、ひたすらに歩くことだ。

花の丘でコスモスを愛で、お祭り広場で行われていた物産展で有田みかんを袋詰め(みかん選びのコツをたずねると「地元民は小さいのを選ぶね」とのこと)、太陽の塔を詣でる。

岡本太郎「太陽の塔」の背面
この公園は言うまでもなく、アジア初・日本初の国際博覧会「日本万国博覧会」(通称:大阪万博)の跡地を引き継いでいるのだが、当時のまま現存する施設も残されている。

前川國男設計、「鉄鋼館」だ。

万博では武満徹の構想を実現した「スペースシアター」の器であった(武満作品は勿論、クセナキス高橋悠治による音楽を約1000個のスピーカーで鳴らしつつ、レイザー光線など視覚効果も合わせて当時の技術を駆使したスペクタクル環境。詳細→「アート&テクノロジーの歴史 第10講 博覧会の思想とテクノ=アヴァンギャルド: Expo ’70大阪万国博覧会の実験」

2010年からは「EXPO'70 パビリオン」として大阪万博のハイライトを体感できる施設に再生した。

「EXPO'70 パビリオン」は70年代カルチャー、技術の大見本市といった様相。

各界からそうそうたる面々の参加があるだけに、名前を見つける度、はしゃげにはしゃぐ。

亀倉雄策がデザインしたポスターをぱしゃ。

あっアマノ先生も映り込んではる(右)
祭り感!
万博で行われたコンサートのポスターも掲げられている。




ポスターに書かれたコピーが秀逸で唸った。

例えばザ・スウィングル・シンガーズ。

“ これはジャズ?、、、いやクラシックかな?

どちらでもいいじゃない この楽しさ、このしゃれた味に文句はないさ ”



公園を2時間歩き続けたことによる空腹。

アマノ先生にとってのアイドル3人組が営むお好み焼き屋「奴」に車を走らせるもそこは私のおかげで定休日だ。

ひとめ見たかったものよ、齢70を過ぎたアイドル達を。

40周年を迎えた駅前商業施設千里セルシーへ。ここ、なんでもある。

「いつも店の前を通るたびいい匂いがしている」と先生も初来店のお好み焼き屋「楓の木 千里総本店」。

厨房で焼いてもらう。プロに任せる。

さくりんっ☆ふわりんっ★うまうま♡

先生は「まぁこんなもんやろな」といった顔して食べているが私は関西水準の高さに内心穏やかではなかった。

先生から示された教訓。

“辛口”と“甘口”、2種のソースがある時は、迷うことなく“甘口”をとるべし


若竹純司(客)

2012年11月8日木曜日

2012年11月5日月曜日

ピクルス通信no.178 三宮めぐり

結婚式の二次会までは時間があったので神戸三宮周辺を歩きました。

モーニングコーヒーを求め、日々お世話になっているスターバックスチェリープラザ店のゆかちゃんが興奮気味に「神戸にスタバのコンセプトショップがあります!先越すなんてずるい!」と教えてくれたスターバックス北野異人館店へ。

北野異人館街の一角に立ち、1907年に建てられた洋館を利用した店舗。

観光地です。いたるところで写真撮影が行われています。

クラシカルな雰囲気と、クリスマスに向けて整えられた趣向とがぴったりと合っていました。

ホットコーヒーはイートインしつつ、「しかし私は日々利用するチェリープラザ店をより愛す。愉快で人懐っこいスタッフ達が迎えてくれるあの店を」という心温まる話をテイクアウト。



足を南へ向け旧居留地へと進み神戸市立博物館「マウリッツハイス美術館展」

フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」と生涯唯一の面会を果たしました。

正面から目を合わせようとしても、彼女の視線はちょうどこちらの右耳たぶあたりをかすめるような角度で射られています。15分ぐらい対峙してみたもののやっぱり目が合いません。その絶妙なモヤモヤ感もこのモデルなき肖像画を観る魅力なのでしょうか。

つかのまレンブラントに打ちのめされました。

「光と影の巨匠」と聞いていた通り、明暗を描き分けてドラマチックに魅せる技量の見事さ。ヒゲの剃り跡の青さがリアルで感嘆。

武井咲のスペシャル音声ガイドは予想以上の萌えでした。展覧会の品格においてどうだとか、美術と接するための資質だとかどうでもよろしい。息つぎも滑舌もぎこちなくても無問題(モーマンタイ)。時代がしばらく忘れていた「アイドル声」を持つ少女。君は巫女。



東へ。元町のセレクトCDレコードショップdisque dessinee(ディスク・デシネ)。

自身のレーベルproduction dessineを抱え、新旧・ジャンルを問わずのセレクトの効いた音盤を発信しています。

マテオ

私にとってはマテオ・ストーンマンを紹介してくれたレーベル。

チェット・ベイカー顔負けの中性ソフトヴォイスで、ギターを爪弾きながらキューバの古いボレロを歌います。

ゆるゆる感。ふわふわ感。ゆたゆた感。わゆわゆ感。

紹介してくれたことへの感謝を直接伝えることができました。

来年には来日し神戸と東京でライブをしますよと、看板娘がニッコリ。

「ぜひ来てくださいね」

なんとする!


若竹純司(客)

2012年11月1日木曜日

食の軍師2巻

とても楽しみにしていた漫画「食の軍師」の2巻が昨日発売されたので
早速、買いました。

「軍師、名古屋へ」で大丸ラーメンがとりあげられていました。
行ったことのあるお店が取り上げられるのはなんか嬉しかったです。

漫画ゴラクの連載以外の「辺境めし」というのも
載っていて存分に楽しめました。



りょうかん

2012年10月28日日曜日

ピクルス通信no.177 中原さん

イノダコーヒー、小川珈琲ほど全国的な知名度は高くないものの、タナカコーヒーもまた、京都市民に愛されるチェーン系喫茶店のひとつ。

サイフォンで淹れるすっきり苦みたつブレンドコーヒーを求め、毎日のように通う人達がいることを、学生時代に今出川店でアルバイトをしていた私は知っている。



河原町店の扉を開くと、その人は会計を済ませるお客さんと一言二言を交わしているところだった。

鈍めにかがやくスキンヘッド。短くたくわえたあご髭。制服のシャツとエプロンの下にのぞく自前の黒いパンツとブーツは、チェーン店規格から外れる風変わりなシルエット。

私と一回りと少し離れているからもう40を越えてらっしゃるはずだが、年齢を感じさせない若々しさ。以前お会いしたときよりもさらに身体を引き締めておられる。かっこいい。

中原さん、という。



「ルワンダ・ムショニあたりでもいっぱつ行こか?」

おすすめレコードを「試聴してみいひん?」と薦めるような軽やかな口ぶりで注文を促してくれた。

クオリティの高い地域別コーヒー豆を扱っているのは河原町店独自のサービス。

コーヒーの淹れ方がどれだけ多様化しても、サイフォンで淹れる(点てる、といった方が雰囲気に合うだろうか)動作が、もっとも素人とは縁遠い秘術的抽出法であることを、中原さんの手つきが思い知らせてくれる。

口にしたルワンダ・ムショニは、コーヒーを知って間もない小僧では驚くであろう、独特の香味と酸味がいとおもしろし。450円。

メニューには彼の発案による小倉トーストも数種並んでいる。京都人の口を喜ばし、また、愛知にゆかりのある人が懐かしさに顔をほころばすという。ホットサンドにアレンジした小倉トーストなんぞ、さて名古屋でも見受けられるかどうか。

訪れたのはちょうどモーニングサービスの時間が終わる頃。彼はモーニング用のメニュー表を手際良くテーブルから抜いて回る。そのリズミカルな所作。

長いこと同じ仕事に従事している(尋ねると14年間無遅刻無欠勤だそうだ。14年間無遅刻無欠勤!14年間無遅刻無欠勤!)人の常で、彼の仕事ぶりの中にも彼独特のリズムが貫かれているのが、間断なく伺える。

パリのギャルソンの姿を見たことはないが、もし日本人が旅先で彼らの仕事振りに惚れ惚れするとしたら、同じ感慨を私はこの人に見ているはずだ。

電話が鳴る。

近くの先斗町歌舞練場から出前の注文だ。

水明会(妓芸発表会)が近くに控えているため、芸舞妓さんやお師匠さんからの注文が毎日何度も入る。

「楽屋からまわったほうがエエな、、、」

ホットコーヒーを水筒に容れ、ソーダ水の飲み口をラップで覆い、いくつものカップをバランスよくトレーに配置し、左脇にそれを固定し急ぎ早に店を飛び出ていく。

帰ってきた中原さんを待ち構えてたかのようにカウンターの客が声をかける。

「なかはらくんの血圧を沸騰させるもん持ってきたで」

スポーツ誌を差出す常連客。長年カウンターに立つ人の話の受け方を見習いたいと私は常々思う。

柔軟に、愛想良く、気負い無く、懐は広く。

「これ僕が生で観てた試合やないですか、あんときは確か、、、、」

また出前の電話だ。



中原さんはレコードコレクター。

実は、お互い共通の知り合いであるタナカコーヒーのスタッフから紹介される以前に、WORKSHOP recordsの店頭で店主苗村さんと彼がレコード談義をしているのを何度か見かけていた。紹介された時は驚いたものだ。「あのマニア談義の張本人さんでしたか!」。

今回は事前に訪問の旨を伝えていたことで、所蔵するCDを私のお土産となるよう用意してくれていた。

オリジナル盤のレコードやリマスター盤のCDなどを買い直したため重複するに至った品々を後進に分け与えるのが彼のモットー。

「売ることは誰にでもできるからね」

痺れる。

いただいたのはThe Intruders『Super Hits』、The Isley Brothers『This Old Heart Of Mine』、The Temptations『Masterpiece』、Edwin Starr『War & Peace』、Archie Bell & The Drells『Tighten Up』、同『There's Gonna Be A Showdown 』 、The Jacksons『The Jacksons』の計7枚。


スーパー・ヒッツ(紙ジャケット仕様)
The Intruders / Super Hits

なかでもイントゥルーダーズの一枚を毎日のように聴いている。

70年代に花開くフィラデルフィア・サウンドの立役者、ケニー・ギャンブル=レオン・ハフ両人が、60年代後半に自身のレーベルから送り出したグループ。

“フィリー・ソウルの幕開け”とでもいえそうな、ちょっぴり青臭くも瑞々しさに溢れたサウンド”(ソウル・ロマンチカ『70年代ソウル』評)がたっぷりと多幸感をもたらす。

流麗なコーラスと、リードシンガーの「投げやり風な歌い方」(鈴木啓志『R&B.ソウルの世界』評)とがぶつかる異化効果も味わい深い。

野暮と洗練の狭間をただよう感じが得難いように思う。




中原さんはせんだって名古屋にレコード掘りに訪れており、京都とは違った収穫もあり面白かったと仰っていた。

「必ずやまた行くよ、名古屋」とも。

その機会にはMusicFirstにお立ち寄りくださることを、スタッフの皆さんになりかわってお待ち申し上げる。

私としても、うまい小倉トーストを出す喫茶店の用意はできている。


若竹純司(客)

2012年10月25日木曜日

高須クリニックのCM

高須クリニックスッピンCM 院長の一日篇というテレビコマーシャルを見て驚きました。
握りずしを丼に適当に移しお茶をかけて食べるという内容でよく分からなくて
とても面白かったです。
YOUTUBEにアップされていますがテレビでも頻繁にながして欲しいなと思いました。



りょうかん

2012年10月23日火曜日

商品入れ替え

今日は、店頭の古い商品を引っ込めて
作りためてた新入荷商品を大量に出しました。
いろんなジャンルを出しましたが、ジャズが特に多めです。

長谷川

2012年10月21日日曜日

ピクルス通信no.176 彼岸

ライブが終わりバス停「上賀茂神社前」で並んでいると見覚えのあるお顔。

音楽学者の岡田暁生先生だ(NHK番組「scola 坂本龍一 音楽の学校」に出演しているのを見た人も多いことだろう)。

同行の学生か友人かと語らっているを盗み聞き。

「究極の省エネなのでしょうね」

仰りながら宙に浮ぶ鍵盤を弾く仕草。

いま聴いたばかりのランディ・ウェストンのピアノ奏法を評した言葉だと思われる。

御年86歳ながら身の丈2mを越す巨体が鳴らすピアノの音は、短絡的に「圧倒的な重量感」という言葉が口からこぼれそうになるが、とんでもない。むしろ音が羽にのって昇っていくような感じ。「鳴りの良さ」なのであろう。岡田先生の言葉はそこを突いている。

鶴賀信高さん(私が学生時代に所属していたジャズ研究会の後輩で、いまは関西で活躍の場を広げるベーシスト)も自身のブログにおいて、ランディのピアノ奏法の神髄を覗いている。

ベーゼンドルファーのフルコンサートで(中略)小さな音で余韻を残す弾き方が出来るのは、クラシックの世界も含めて全世界探してもいない。らしい」。ベーゼンドルファーを使用するピアニスト一覧

音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書)

岡田先生が吉田秀和賞を受賞した『音楽の聴き方』(中公新書)はほとんどクラシック音楽に限って筆が進められているのだが、あとがきに「本書の執筆をしていた数ヶ月間、朝から晩までモダン・ジャズばかりを聴き続けていた」とある。

南アフリカのピアニスト、ダラー・ブランドへの賞賛も見える。

「私がそれまで知っていたブルーノート系のモダンジャズとはまったく性格の違うもので、赤茶けた大地を連想させる荒々しいタッチとアラブ風の旋法、にも関わらず全曲を貫いている透明な抒情感、そして40分近く延々と続けられる執拗なオスティナートの呪詛に取り憑かれてしまい、しばらくの間、目が覚めているときはずっと耳の中で唸り続けていたのを覚えている。音楽が自分の身体に乗り移ってくるあの黒魔術のような感覚は、初めてストラヴィンスキーの《春の祭典》を聴いたときなどにも通じるものであった」

ダラー・ブランドはイスラム教に改宗して アブドゥーラ・イブラヒムと名乗っており、彼もまた、この日ランディ・ウェストンとビリー・ハーパー(ts)のデュオ・ライブが行われた上賀茂神社・庁ノ社において、2003年以降3度のライブを行っている(ランディ・ウェストンは今回が4度目となる)。

いずれも賀茂川と高野川とが合流し鴨川となる中州をのぞむ、京都・出町柳駅前にあるジャズ喫茶、LUSH LIFEが主催するライブだ。

岡田先生は京都大学にお勤めである境遇を幸運とせねばならない。

アブドゥーラ、ランディが再びかの地でライブを行う可能性は十分にあるのだし、音楽との関わり方を根本から揺さぶる体験をもたらす一喫茶店が身近にあることを。(『ジャズの聴き方 〜筋金クラシック・リスナーからの転向〜』といった本でも出してくれないだろうか)

さきのアブドゥーラ評は次のように続く。
「それを前にどういう言葉を口にすればいいか途方にくれるような音楽、手垢がついた既成の言葉を一度無効にしてしまって、ゼロから「音楽を語る言葉」を鍛え直すことを求めてくる種類の音楽」。
ランディ・ウェストンの音楽も我々に同じ感慨を要求する。

スウィング、グルーヴィー、ファンキーといった通常ジャズを形容する言葉が全く用をなさない。困ったことにも。嬉しいことにも。

福島剛さん(私が学生時代に所属していたジャズ研究会の先輩で、東京でプロ活動をするピアニスト)も自身のブログで同じような心情を吐露している。


「一言で言ってしまえば、それは私の理解の範疇を越えていた。目の前で行われている音楽儀式は全て私のボキャブラリーの中には無いものであったし、またピアノからは聴いた事がない程に荘厳で美しい音が奏でられていた。何だこれは!という感覚と共に圧倒され続けた。そしてRandy Westonの音楽が持つ圧倒的なパワーは、私を徐々に解体したのだ。 
私にも理想とする音の形がある。Randy Westonの音楽を間近に体験するその直前までも「これこそが美しい理想の音なのだ」という感覚があった。それは記憶の集積である。これまでの「音による感動体験」を総合していった結果、ぼんやりとではあるが「このような音が良い」という価値判断が形成されていった。そこに、まるで異質な美しさが介入した。比類なきほどに圧倒的なパワーを湛えて。 
その結果として、私の価値基準は容易く崩壊した。奇妙な違和感はやがて明確な感動へと変わった。Randy Westonの音楽を体験するという事は、畢竟私にとっては自己の再構築をするという事なのだ。」


『音楽の聴き方』はジャンルを問わず音楽を聴く喜びを知る多くの人に読まれてしかるべき。

述べられる核心は《「音楽の聴き方」とは「音楽の語り方」を知ることにほかならない》ということだが、一方では素晴らしい音楽に出会ったときの「言葉にならない感じ」「語れなさ」を丁寧に述べてくれる本でもある。

「法外な体験を言葉にするのは本当に難しい。なぜなら芸術がもたらす戦慄は、あらゆるエクスタシー経験の常として、本質において極めて身体的なものだから。それを自分と共有している人との間では、言葉一つでコミュニケーションが成り立つ。場合によってはうなづき合うだけでいい。」
 うむ、うなづき合うだけでいい。
「音楽は視なければ分からない。録音で音楽を聴くことになれている私たちは、身体は現前していないのに音だけが響いてくる異様さを忘れがちだ。しかし本来音楽とは生身の人間の身体から発せられるものであって、耳で聴くだけの音楽はどうしても全身で同調することが難しい。」 
全身での同調。聴いた、のではない。体感、だ。個人によるライブ感想が、演奏の客観的な描写でなく、もっぱら自らを包んだ身体的な感動に終始してしまうのも、当然のことなのかもしれない。
「場を楽しむ。音楽は必ず何らかの「場」で鳴り響く。音楽との最も幸せな出会いは、「音楽」と「私」と「場」とがぴったり調和したと思える瞬間の中にある。あまり音楽だけを取り出して、グルメ・ガイドよろしく品評することはしたくない。」
「思うに最も幸福な瞬間にあっては、音楽それ自体の素晴らしさはもはや意識に上ってこない。音楽は一つの場に消滅する。そんなとき私たちは、音楽それ自体を聴いているのではなく、音楽の中に場の鼓動を聴いているのだ。まさにそういう稀有な体験と出会うためにこそ、音楽を聴く意味はある。」
「音楽」と「私」と「場」の調和。音楽それ自体を聴いているのではなく、音楽の中に場の鼓動を聴く。

まさに。私が今回のライブで体感したのも、日常とは異なった彼岸のなにかであった。

《まとめ》

「ランディ・ウェストンのライブ、めっちゃ良かったです!」


若竹純司

2012年10月18日木曜日

入荷情報

最近はネオアコ、ニューウェーブなどのレコードを結構出しています。




りょうかん

2012年10月14日日曜日

ピクルス通信no.175 超食

行き着くところ、朝食なのだ。

どれだけ朝食を食べるのか、何を食べるのか。

それが一日の馬力を決する。

今日も仕事、七人の敵、プライベート、ディベートが待ち構えている。

立ち向かうために必要なのは?

そう、エネルギーすななち(噛んじゃったw)朝食である。

朝食を抜く、朝食を抜くなど、問題外。おととい(の夕飯抜いて)来やがれ、だ。

一日の積み重ねが人生である。ならば?

さよう、朝食を制すものが人生を制す!



なにかと試しているこの頃。

試1)前日に高級感のあるパン屋で好みの品を2、3買う。一夜明ければ、賞味期限はぎりぎりのところ。食べずにいるのはもったいない。高かったものね。

結果)美味しい。が、いかんせんゼニがかかるよってに。それに高級感のあるパン屋に行くのが面倒。3日で終了。

試2)前日の夜にチキン抜きのケチャップピラフを作っておく。我が家で「赤いチャーハン」と呼ぶもの。思想は持っていない。具は玉葱、ハム(ベーコンでも可)。隠し味に砂糖を少々。

試3)前日の夜にカレーピラフを作っておく。なんでもイチローは朝昼兼用でカレーを食すとか。だから。具は玉葱、ハム(ベーコンでも可)。思いつきでミニトマトとか。

結果)試2も試3も1日、2日はよかった。前者はほどよい甘味が、後者はスパイシーさが食欲を進めた。腹持ちも優れていた。ただし、続けて毎日となると飽きるのよね。カレーピラフにトマトがよくマッチすることが分かったのを収穫としよう。

試4)「東南アジアはお粥がスタンダードじゃん?」という友人の言葉を真に受けてみる。朝、お粥を作るのは面倒だからレトルトのものを購入した(鮭のほぐし身が入ったもの)。

結果)まずかった。レトルトはいけない。それ以前の話、朝食に熱いものは私には向かない。余裕を持って起床していないので、ふーふーさますのに気をとられバスを一本逃すことになりかねない。朝食に一日のスタートを左右されてたまるか。

試5)ミルクがけのシリアル。ケロッグのコーンフレークとチョコクリスピーとを交互に。腹持ちが良くないから、ウィンナーを5、6本、バナナ1本、ヨーグルトも追加。つまりは物量作戦だ。

結果)たくさん食べればよい、という妥当な着地点。ひとひねりもないシリアルという選択。ちっちっちっ。なぜシリアルか。それを食べるにはバリバリ噛み砕かねばならない。バリバリという音は頭蓋骨まで響く。実に響く。頭蓋骨に響く音→脳への刺激→目覚まし効果。ね?とてつもなく科学的。

朝食完全ガイド (100%ムックシリーズ)


『朝食完全ガイド』(晋遊舎)なるムック本を見かけた。

食パン、バター、ジャム、ハム、ヨーグルト、野菜ジュースなどの朝食まわりをランキング検証している。おすすめ調理方法もプロがアドバイス。

ファミレスやファーストフード店のモーニングサービスへの覆面取材を敢行。

素晴らしい企画だ。

皆さんもおすすめの朝食ライフがあれば是非教えていただきたい。


Sonny Clark Trio (アナログ盤/BLUENOTE プレミアム復刻シリーズ) [Analog]
Sonny Clark Trio 
朝と聞いて真っ先に思いつくのは『Sonny Clark Trio』に収録される《Softly As In A  Morning Sunrise (邦題:朝日のようにさわやかに)》だ。

美しいかげりに満ちた名演奏である。ソニー・クラークの奏でるフレーズを諳んじれるほどよく聴いたものだ。が、この曲を聴いてついぞさわやかな気持ちになったことがない。

朝感がない。

同じアルバムに収録されている《I Didn't Know What Time It Was(邦題:時さえ忘れて)》はひょっとしたら気の利いたツッコミなのかもしれない。

Awakening
The Ahmad Jamal Trio // The Awakening 

朝感あり。

アルバムのタイトルにもなっている冒頭曲《The Awakening》。

これは訳すと「目覚め」。「覚醒」とも訳すことが出来るか。

おう。いいじゃないか、覚醒で。ヘイ、目覚めようぜ、ヘイ。

アーマッド・ジャマルの作品で最も人気のあるのは1958年に発表された『But Not For Me』であろう。「間」を存分に活かした演奏として真っ先に挙げられる一枚だ。

60年代以降、徐々にアグレッシブなピアノスタイルへと変化し、1970年に発表された本作でもメロディ、リズム、ハーモニーの清新さで聴くものを刺激する(アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲《Wave》に対する、比類なき斬新なアレンジ!)。

一聴して音数は多い。

しかし本質は変わっていない。

ブロックコード一発で景色を一変させ、フレーズの断片はあまたのメロディ展開の選択肢を想起させる。ジャマルは「私の頭の中には1000のメロディが入っている」とのたもうたらしいが誰も異議は唱えまい。

「これだよ、少ない音数で多くの音楽を聴くものに与える。まさに“less is more”なんだよ!」。

本田直之の読者はそう叫ぶかもしれない。

実のところ、朝食の一件も彼の思考に負っている。

若竹純司

(追記10月17日:いや、本田氏の本に書いてあったわけではなく、彼が紹介していた本に書いてあったような、、、思い出せません。適当なことを言ってすみませんでした。)

2012年10月11日木曜日

REGGAE 45 SOUND SYSTEM

SOUL JAZZ レーベルが11月ごろにレゲエ7inchの本を出すそうです。

好きなレゲエリイシューレーベルのBLOOD & FIRE のSTEVE BARROWとSTUART BAKER
が担当していてとても楽しみです。


1000タイトル越えの掲載だそうでとても充実した内容になってそうです。





りょうかん

2012年10月8日月曜日

ピクルス通信no.174 ヨセでサゲて

はじめ亭しげた(重田牧子さん)の導きにより落語初体験と寄席初体験を同時に済ませてね、とレコード漁りの指を休めることなく844(ハシシ)が口角泡を飛ばす。

先を越された。

もう何年も枕のお伴に落語CDを欠かすことは一夜としてない私だが、寄席には行ったことがない。

出し惜しみとは無縁の844。牧子さんがととのえる10月のイベント「橘家文左衛門 独演会」を案内してくれた。

この機会を逃してはなるまい。

橘家文左衛門とは誰か。

wikipediaで探ってみると林家彦六(8代目正藏)の孫弟子に当たるという。

彦六はさらりとした表情でかすめる脱臼味あふれるギャグ(くすぐり、って言うのかな)が粋で、私がよく聞いている落語家のひとり。その孫弟子とあっては、胸の鼓動も早打つ。

が、もう少し肌感覚の情報も欲しい。

学生時代の友人で、昨今のブームが始まる前から落語に入れ揚げていたスミスにメールでたずねてみた。

「僕は上方(大阪・京都)のことならそこそこ知っているけれど東に関しては疎いのよ」と断りながらも素早いレスポンスが返ってきた。

文左衛門アニキは落語家には珍しく「オラオラ」系だよー。「大工の熊」的な荒っぽい人のでてくる噺は若手で随一と言われています。入船低扇辰と柳家小せんと三人で、「さんけいしんぶんしゃ」っていうバンド組んで音楽活動にも勤しんでおられます。我らの柳家喬太郎(キョンキョン)とは仲が良いらしく、よくマクラで出てきますよー。ちなみに、入門は文左衛門の方が先なんでキョンキョンは「兄さん」と呼んでいますが、キョンキョンは14〜15人抜きで真打昇進してますから、真打としてはキョンキョンの方が先輩という微妙な関係です。

ほうほう。そうそう、「真打」ってよく耳にするけど、いったいなんですの?

基本的に入門から15年前後で余程ひどくない限り真打になれる。真打になると、他の人から「師匠」と呼んでもらえます(弟子がいなくても)。また、東京の寄席(鈴本演芸場とか浅草演芸ホールとか池袋演芸場とか)のトリを取れるようになります。実力のある人はもっと早く昇進できる。例えばキョンキョンは10年くらいで真打になってるし、春風亭小朝もそれくらいで真打になってるよー。ちなみに上方には真打制度はありません。

あいわかった。キョンキョンの腕前もわかった。

ともあれ、本日は橘家である。



会場となるのはナディアパークの7階第一スタジオ。

木戸銭2900円を払って開演5分前に滑り込むと、定員90人/104㎡の会場に70人ほどの落語ファンが会場前方に特設された高座をじっと見据えて橘家の登場を待っていた。

ほどなくして出囃子『三下りかっこ』。

牧子さんの夫で「名古屋が誇るハウスパーティー“wideloop”を十数年にわたって主催しているハウスレジェンド重田さん」(844評)のPAだけあって、ぞくぞくと艶かしい音質で。

よっ、待ってました!

座布団に座った橘家文左衛門師匠はずいぶん強面。ドス。しかし芸人ならではの愛嬌もあって。骨格はがっしり。これが落語を生きてる者の存在感かぁ。

贔屓の客に寿司屋に連れて行ってもらった折、すすめられるまま生きた小魚がおよぐ小鉢を一気に口に入れたもののむせてしまい、鼻の奥で小魚がぴゅるぴゅると震え、、、という活きのいいマクラをふっておいてから出た第一声は

「植木屋さん、ご精がでますな、、、」

わっ!「青菜」だ!

自分が普段聞いている根多に生で出くわせることがこれほどまでに嬉しいとは!!

なにせ演目が事前に知らされていたわけではないのだから。

出入りする屋敷で旦那と奥方との奥ゆかしいやりとりを垣間みた植木屋が、自宅へ帰って自分のカカアとで真似しようとするのだが、、、という筋立て。

旦那のふるまいと植木屋がそれを真似たふるまいとの微妙な違いを演じ分けていたのが面白かった。扇子をあおぐにしても旦那は優雅なのに、植木屋はせわしない。奥を呼ぶため手を叩くにしても、旦那は貫禄があるのに植木屋はどこか間抜け。手を叩いて出てくる音はほぼ同じにしても。つまりどちらも録音物では味わえない、生ならではの味わいなのだ。

 次いで、コミカルな所作で畳み掛ける15分ほどの「寄合酒」、中入りを挟んで「らくだ」。

そうか!スミスが言うところの「荒っぽい人」が登場する、文左衛門アニキにうってつけの大ネタだ!


「らくだ」と渾名されるゴロツキが河豚にあたって死んでいるのを発見した兄弟分の「丁目の半次」が、たまたま通りかかった屑屋を恐喝&指図し、長屋中から香典をせびる、大家には酒肴を、漬け物屋には棺桶代わりの桶をせびる。それまで散々「らくだ」に迷惑をかけられてきた(無銭飲食、家賃を払わない等々)皆々は「らくだ」が死んだことをこれ幸いと喜びながら(←この噺の肝だと私は思う)も、誰が「らくだ」の弔いなどするかと屑屋を追い返す。それならば、と半次は一計する。「らくだ」の死体を彼らのもとへ運び、手取り足取り動かし「かんかんのう」を踊らすのを見せつければ誰もが気味悪がって「払う払う、たのむからやめてくれ」と従うに違いない、、、、


文左衛門アニキの「半次」、はまりっぷり見事。恐かったです。

「おめえ、じぶんのはらわた見たことあるか?」




告知。

まずは私から。11月にみすず書房から『落語の国の精神分析』という本が出ます。著者は精神分析医の藤山直樹氏。PR誌「みすず」の連載時から彼の筆運びは際立っていました。中井久夫、木村敏、北村修、、、精神分析医/精神科医には筆のたつ人が多いです。精神分析医の目で通してみる落語、ひいては人間にたいする洞察を皆様もどうぞご堪能ください。

スミスから。柳家喬太郎の実力を知るにはまずはYouTubeで「歌う井戸の茶碗」をご覧あれ(これは古典落語のパロディなので志ん生志ん朝などを聞いて地均ししておいたほうが良いだろう)。「東京ホテトル音頭」(ver.1ver.2)でも才気を感じてみて。とのことです。私もこれから見てみます。

はじめ亭しげたさんが開催する寄席の情報はHP「落語 津々浦々」からどうぞ。

12月1日の「春風亭百栄独演会」はなんと新栄のクラブMAGOで!
12月16日の「春風亭一之輔ひとり会」は千種のクラシック用コンサートホール5/R Hall&Galleryで!

どちらも音響への気配り、間口の広さをそなえたイベントになりそうですね。

最後に844。

彼が今月末に開くパーティー情報を、私宛の普段のメールから引用します(一部勝手に変更しています)。他の人に見られることを考えていないメールにして、このほとばしる熱量!

「HOLA!HOLA!(オラ!オラ!)」
@cafe domina  10/29  open:19:00~ charge:free

アニマラティーナ(ラテンの魂)というジャンル名で、ドミナを舞台に南米やラテンをバッハから宗主国スペイン、ポルトガル、奴隷として連れてこられたアフリカ、ブラジルの歌謡コンテストで優勝した経験のある「カルロストシキとオメガトライブ」など和モノを含む拡大解釈バージョンでやります。バッハの「ジーグ」という曲はイベリア半島からの影響があり西洋クラシック音楽と言っても純粋ヨーロッパ産ではなく混血、異文化が混じっていると大阪の中央公会堂へバッハのゴルトベルク変奏曲を聴きに行った時、ピアニスト高橋悠治さんは話してくれました。アニマラティーナ、これすなわち「自由」です。



若竹純司

2012年10月4日木曜日

SOLO PIANO Ⅱ

GONZALES のソロ・ピアノ作品の名作「SOLO PIANO」の続編「SOLO PIANO Ⅱ」の
アナログを手に入れたので休日にかけていました。


今作もすごく心地よかったです。
とてもリラックスして繰り返し聴ける作品だなと思いました。




りょうかん



2012年10月1日月曜日

ピクルス通信no.173 コウズカ!


500円という入場料でこれほど興奮した覚えはかつてありません。

 文化フォーラム春日井で開催中の「写真家 石元泰博」展を観てきました(アクセス方法)。

石元泰博(1921-2012)
農業移民の子としてアメリカに生まれ、3歳から両親の郷里高知で過ごす。高校卒業後、単身渡米して間もなく太平洋戦争がはじまり、収容所生活を経験。終戦後、バウハウスの流れを汲むシカゴのインスティテュート・オブ・デザイン(ニュー・バウハウス)で、写真のみならず、石元作品の基礎を成す造形感覚の訓練を積む。在学中にモホイ=ナジ賞を受賞。1955年にはエドワード・スタイケンによる伝説的な企画展「The Family of Man」で、日本人としてただひとり作品が選出される。その後、桂離宮のモダニズムを写真により見出した作品で高い評価を受けた(ワルター・グロピウス丹下健三との共著による『桂 - KATSURA ・日本建築における伝統と創造』)。享年90。


生前の2004年、石元氏は氏が所有する全ての写真作品(オリジナルプリント)及びフィルムを含む資料類を高知県に一括寄贈しています。

今回の展覧会は、高知県立美術館が所蔵する膨大な作品群のうち、「シカゴ シカゴ」「東京」「桂離宮」「伊勢神宮」「シブヤ、シブヤ」など代表作を中心に、1950年頃から2000年代に撮影されたオリジナルプリントを紹介しています。

代表作のハイライトを一気呵成に概観しつつも散漫になるのを免れているのは、全ての作品に一貫して「優れた造形感覚と知的で美しいモノクロームの表現」を感じることができるからでしょう。


 東京  街  1997年頃 ©高知県
シカゴ 街 1959-61 ©高知県

上に挙げたのは展覧会の冒頭に対で紹介される2枚です。

かたや1997年に東京で、かたや1960年頃にシカゴで、と時も場も隔てて撮られた2枚ですが、どちらも画面いっぱいに大きくXの字が走る構図になっています。

このように観るものが「対比」を楽しめる展示構成で貫かれており、キュレーションの魅力も感じられる展覧会でした。


それにしても石元作品にみる構図の見事さはどうしたことでしょう!

右の写真、ビル群の乱立を利用して整然とX字をかたどる構図など、いかなる目をもってすれば捕らえることができるのでしょう。

ひょっとして世界はこの写真家のために整えられたのか?という冗談めいた感想が作品を観ている限りは確信をもってしまうほどに、見事な構図の写真ばかりが並び、嘆息するのに暇がありません。

展示会場では次のようにな表現で石元作品を説明されていました。

一瞬のフレーミングのなかで対称やエックス型といった安定した構図をとる卓越した技術と、俯瞰とあおりなどの巧みなアングルの扱いによる圧倒的な調和を持った画面構成により、石元の作品は造形的とさえ、言われました。

造形的。なるほど、石元作品をばちりと捉える表現です。

インスティテュート・オブ・デザインで学んだのは写真技術ばかりではないという証左。

プロダクトデザインをはじめ、あまねくデザイン表現を愛でる方々にきっとや得難い鑑賞時間を与えてくれる写真群です。

彼の卓越した造形感覚は、日本の古典建築である桂離宮や伊勢神宮への眼差しでも露になっています。

桂離宮 古書院 1981-82 ©高知県
日本建築にこれほど幾何学的な美が見出せるとは。

モノクロームの写真は、色彩に注意を奪われることなく構図の特徴を伝えてくれるのですね。

(余談ですが、工藤栄一監督・片岡千恵蔵主演『十三人の刺客』(1963)を思い出しました。あれも日本建築のモダンさを強烈に感じさせるカメラでした。)

十三人の刺客 [DVD]
十三人の刺客



別室では石元がシカゴ時代に撮影した8分の映画「The church on Mawell Street」が上映されていました。

シカゴ・ブルースの聖地、マックスウェルで路上ミュージシャンや観衆が映し出されています。

歌う姿、踊る姿、陶酔する姿。

そういった人々の姿に、当時録音した音楽がのせられています。

ブルースというよりゴスペルでしょうか。にぎやか、とは違う、力強い生命力を感じさせる音楽でした。人と音楽とが乖離していない音楽。

そのなかには《聖者の行進》も。あまりに豊かな演奏でした。

この映画は収められていませんが、図録が1400円で販売されています。

1400円という図録代でこれほど、、、、


若竹純司

2012年9月27日木曜日

ノイズ / ドローンのニューエイジ

音楽雑誌ele-king のvol.7は
ノイズ/ドローンのニューエイジという特集でとても興味深いです。


2001年~2012年にリリースされたノイズ/ドローン作品のディスクガイド
や小杉武久、ジム・オルークのインタビューなど気になる記事がいろいろ
載っていました。


前の号からはじまった山本精一「ナポレオン通信」が
とても面白かったです。


りょうかん

2012年9月26日水曜日

20% オフ

CD&LPの一部の商品を20%オフにしました。
小さな赤丸シールが目印です。
20%オフコーナーにまとまって入ってます。
ぜひどうぞ^^
 
 
 沢田
 

2012年9月24日月曜日

ピクルス通信no.172 栄の丸善

入居ビルの耐震性や老朽化のため6月に閉店した丸善・名古屋栄店が、9月27日に再オープンします。

それまでのすぐ隣のビルにあたる、丸栄百貨店の6階と7階での営業になります。

旧店舗ではおなじみだった平台(膝の高さの台に、表紙が見えるように本を積むこと)はほとんどなくなりますが(洋服部門やギャラリーもなくなります)、書籍のアイテム数、専門書はぐっと増えます。コミックも扱うことになりました。これまで通り文房具も扱ってくれるのは、私にとって嬉しいことです。万年筆は丸善で買いたい。

丸善の名古屋での営業は1874年(明治7年)から始まっています。東京、大阪、京都に続く4店舗目で、ながらく中部地方の文化においても重要な役割を担ってきたことでしょう。また、特にながく名古屋に住む人にとって、「専門書=丸善」「本のたくさんある店=丸善」というイメージは根強いことでしょう。

老舗の歴史はこれからも続きます。


丸善・名古屋栄店の店長・大西さんはお見受けするところ50代半ば。

学生時代はポルトガル語を専攻していたそうです。

なんでもサークルではブラジル音楽のバンドを組み、ミルトン・ナシメントをカバーしていたとか。

第2回TVグローボ主催インターナショナル・ソング・フェスティバル
で第2位を獲得した《Travessia》 

せつないスキャット《catavento》

が、大西さん、顔はシコ・ブアルキにそっくりです。

Chico Buarque


このアルバムジャケットを一度見ておけば、すぐにお店で彼を見つけることができるはず。

今度お見かけしたらポルトガル語で挨拶してみようかな。

「Bom dia ボン・ヂーア(おはようございます)」
「Boa tarde ボア・タルヂ(こんにちは)」
「Boa noite ボア・ノイチ(こんばんは)」


若竹純司

2012年9月20日木曜日

Alameda press #04

気になっていたフリーペーパーAlameda press の#4を貰いました。

DJやレコード店の方々がお気に入りのディスクをいろいろ紹介されていました。

欲しいなと思うものが載っていましたし
持っているレコードは聴き返すきっかけになり良かったです。

以前出ていた号も欲しくなりました。



りょうかん

2012年9月18日火曜日

新入荷ブラジル


ブラジルのLPが40枚ほど入荷しています!
レコード新入荷の隣に、ブラジルコーナーを作ってお待ちしております。

沢田

2012年9月17日月曜日

ピクルス通信no.171 泣き言はやめた

左から「無い」、右から「否」
× からの

 ※


オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)
マーティン・セリグマン『オプティミストはなぜ成功するか』 (講談社文庫)


50項目にわたる心理テストがついており、自分の楽観/悲観度を計ることができる。

「総得点が8点以下の人はこの本を読んで楽観主義を身につけることをおすすめする」というような提案を受け、自分の得点を計算してみると。


「−4点」

がっくし。ゼロわっちゃってんじゃん。

やっぱり私はなにかにつけてマイナスなんだなぁ、どよぉおん、、、



タイトルから自己啓発書と予想して読み始めたが、実際のところは認知療法の本だった。

私の言葉で言えば、「不幸な(自分にダメージを与える)出来事が起きた時に、主観的な思い込みから必要以上にネガティブな反応をしてしまうあなたは、その考え方に自ら反論する癖をつけ、自ら元気づけていく術を学びましょう」というもの。

・自分はがっくしするたちだろうか?
・自分は必要以上に落ち込んでしまうだろうか?
・自分はこんなに失敗しなくてもいいはずだと思っているか?

これらの質問に「Yes」の方。もしくは、

・何かを達成しようとしている時(昇進、製品販売、難しい報告書の作成、試合)。
・自分の気持ちを高めよう、落ち込まないようにしようとしている時。
・困難な状況が長引きそうで、自分の健康状態が問題になっている場合。
・指導的役割を演じたい時、ほかの人々を啓蒙したい時、自分に投票してもらい時。

といった状況下の方にとって、有益な本になるはず。

原題は「Lerned Optimism」。楽観主義は学んで身につけることが出来る、って意訳でよろしいかしら。


◯!ブルーなトーンで統一されながら結局は前向きな一社駅でした

ブルー・ルー(紙)
Lou McGarity : Blue Lou

1940年代にベニー・グッドマン楽団に在籍していたトロンボーン奏者、ルー・マクガリティがリーダーをつとめ、同楽団で同じ釜の飯をくったドグ・セベリンセン(tp)、ディック・キャリー(p)らと和気あいあいにスウィングする。ハードバップ時代に咲くスウィング・スタイルの花、つまりは中間派の心地良さ、御機嫌さ、技術の高さをしかと堪能しよう。

《Blue Moon》《Blue Prelude》《Born To Be Blue》《Blue Skies》等々、タイトルに「Blue」のつく曲ばかりを 集めたアルバム。

象のうたた寝のようにまどろむ《Blue Moon》が出色。

12曲聴き終わった頃にはすっかりブルー?

しからば、これにてブルー納めとあいなりもうす!!

ところで「青」って、欧米では「卑猥」のイメージもあったのではなかったかしら。ブルー・フィルムとか。


どうせ同じ「ひ」の字なら、「悲観的」よりも「卑猥」に生きてみたい。


若竹純司

2012年9月13日木曜日

Decorate

トクマルシューゴの新作「Decorate」がソノシート仕様でもリリースされていたので
購入しました。

今、ソノシートでリリースするなんて面白いなと思います。

バグルスのラジオ・スターの悲劇のカヴァーが収録されていてそれも良かったです。

11月7日にニュー・アルバム「IN FOCUS?」が出るそうです。



りょうかん

2012年9月12日水曜日

新入荷ブラジル


ブラジルのCDがまとまって入荷しています!
サンバ~ジャズ~MPBなどなど。

ご来店お待ちしております^^

沢田

2012年9月10日月曜日

ピクルス通信no.170 金山めぐり



名古屋ボストン美術館「ボストン美術館 日本美術の至宝展」の音声ガイド(¥500)でナビゲーターを務めていたのは中谷美紀でした。

ぞんぶんに落ち着かせた中低音ボイスは、この日の来場7割を超えていた中高年女性客の神経を逆撫ですることはなかったはずです。

展覧会では必ず音声ガイドを利用する(たいがいは耳にひっかけるタイプのイヤホンしか用意されていないので私物のカナル型イヤホンを使います)私ですが、最近では誰がナビゲーターを務めるか、そのワクワク感をこめることによって、高いんだか安いんだかいまだよくわかっていない1500円そこそこの鑑賞チケットを購入するはずみを得ています。


南野陽子か相田翔子にあたる日が早く来ないかなぁ!!


時流的にはマツコ・デラックスにぶちあたる可能性も高いのではとドキドキしています。

「あんたたち本当にこの絵が素晴らしいなんて思ってるわけ?わかったような顔してすましてんじゃないわよ!」とか怒鳴られてみたいものです(セザンヌの前で)。

神戸へ観に行く予定の「マウリッツハイス美術館展」では武井咲が音声ナビゲーターを務めるそうです。素性はともかく、コケティッシュ感のある声にはまんざらでもないので、フェルメールの静謐な世界とどうぶつかるのかを楽しみにしています。

さて、ボストン美術館展ですが目玉の「吉備大臣入唐絵巻」「平治物語絵巻」はひどい行列と人だかりでした。警備の方が「お急ぎの方は肩越しにご覧下さい!肩越しに!」とアナウンスしていたのが耳に焼き付いています。

もうひとつの目玉、曾我蕭白の「雲龍図」はとにかく巨大でびっくりしました。

この絵は元来、寺院の堂内を取り囲むように配置された襖絵だったらしく、それを想像するとなおさらです。

個人的に強く惹かれたのは、雪舟が画業の初期に使用していた「拙宗等揚」の名で描いた「三聖・蓮図」、周防国(山口県)を中心に活躍した毛利家の御用絵師・雲谷等顔が描いた「東坡・潘閬図屏風」などの水墨画です。前者は素朴な題材と自在な筆遣いがさっぱりと心地よく(後世の加筆があるらしいのですが)、後者は既に洗練されつくされたであろう水墨画技法の極まりを感じさせるとともに、わずかな彩色と金箔による細心の化粧がとても風雅でした。



展覧会を出て 、ランチを食べに御馳走オムライス館 ネコ目」に初来訪しました。

戦前のシャンソン(最高!)が流れ、ここではないどこかへ誘ってくれる雰囲気のよい店内です。


ウェブ上に落ちていた写真です。おいしそうですね。
ネコ目オムライスを注文しました。野菜たっぷりのサラダ、コンソメスープが付いてランチ価格850円。ドレッシング少なめで塩をきかしたサラダは「こんなにシンプルでおいしいのなら毎日でも食べられるわ」といっぱしのマダム口調にならしめます。

ケチャップを瞳に見立てた、店名にもなっているネコ目オムライス。睫毛を担っているのがソテーされた三本のオクラです。

卵<オクラ<チキンライスの順に、歯応えのグラデーションが愉快です。

この店で特筆すべきは、ひとりのギャルソン。無愛想です。無駄に口を開くことはありません。カトラリー配膳の際も、各メニューを配膳する際も、黙ったまま、テーブルへことりことりとそれらを置いていきます。

サービス過剰時代にあってはむしろ新鮮です。

嫌味ではなく、こういった個性が受け容れられる世の中であって欲しいものです。

もっとも、店を出る際には店外で頭を下げて見送ってくれる心遣いがありました。

二度と来る!!



ネコ目から歩いて2分のサウンドベイ金山店へ。

雑誌Latinaの2012年5月号「ワールドミュージック700選」で紹介されていたのに印を打っておいたアルゼンチンのシンガーソングライター、ダマシア・イ・ナヴェガンテスの『punto de partida』を見つけました。

《12曲全てダマシアのオリジナルという無名の新しい才能に初めて出遭った時の新鮮な驚きは今も変わらず。ジャズ〜コンテポラリー〜フォルクローレと見事な完成度。対比する危ういボーカルにも惹かれてしまう。》との評は谷本雅世さんによるもの(ブログ「毎日がブエノスディアス!」)。




その他に、アンドラーシュ・シフを2枚(シューマンスカルラッティ)、ヴァギネル・チゾのへんてこインスト作品『manu carue』、異色の才人セルジオ・ヒカルドのデビュー作『Nao Gosto Mais De Mim』。しめて5000円の大奮発。


喫茶がこなければ一日が締まりません。

サウンドベイから歩いて10分弱、北欧カフェ「rajakivi(ラヤキヴィ)」へ初来訪しました。



お店のHPより写真を借用。ボカシがそそりますね。

おや、円卓でおしゃべりの花をさかせているのは小林聡美ともたいまさこと片桐はいりでしょうか?

違いました。でもそんな感じです。

ナチュラルで穏やかな空気が流れる店内、調度品も食器も北欧一色です。たぶん。

マスターが腰につけた鮮やかな文様の手織り風エプロンもそっちゆかりのものに違いないわ、とひとりごちながらiittalaの皿で出された自家製のシナモンロール「コルバ・プースティ」(¥150)をかじってみたりiittalaのカップで出されたロバーツコーヒー(¥450)を啜ってみたり。

ロバーツ。コーヒー消費世界一のフィンランドではポピュラーなブランドだそうです。

軽めの味わいのため、一日にマグでがぶがぶ何杯もいけそうです。

マグカップ。がぶがぶ。ガブカップ。ケケケケ、、

おやおや、日記を書くのに疲れてきたようです。

お付き合いありがとうございました。



9月29日からはボストン美術館展の後期展示が始まります。

ふたたび同じルートをなぞることをお約束いたします。

でも「ネコ目オムライス」ではなく「大根おろしのだし醤油オムライス」に注文を変えることだけはお許しください。

だって中はガーリックチキンライスだっていうじゃありませんか奥様!!



若竹純司